2007年06月30日

めぐり便乗その7 by monossoi

 えー、最初に謝っとかなきゃならない。
 便乗の本筋の順番としては今回で7回目。その他派生がありますが、本筋リレーとしては7回目です。
 まとめの中の人のところでようやく認識した俺は馬鹿野郎です。orz by 大岩咲美

「……なるほどな。大変やったんやね恭也さん。
 ええよええよ、ウチは無駄に広いから。連れのフェイトさん共々どんとこい、や」

夜。八神家のリビングにて。

テーブルの向かいには、闇の書の主であるという八神はやて嬢が掛けていた。
はやて嬢の横にヴィータ嬢、俺の横にはシグナム、床に犬になったザフィーラがそれぞれ座っている。

そして、この場にいないフェイト嬢。
彼女は今、この部屋の上に当たる二階の客間で魘されており、シャマルさんに看護されている。

なぜそのようなことになったのか。
数時間前のリビングを思い返す。



あのとき、俺たちは手を重ねて互いの団結を深め合っていたわけだが、
その手を離したところで、唐突にシグナムが話を切り出した。

「さて、高町については話がついたわけだが」
「……私ですね」

シグナムの言葉に答えるフェイト嬢。
それと同時に、先ほど軟化した空気が緊張する。

「シャマル」
「……ええっと。
 これはフェイトさんについてというよりも、二人ともに関係するのだけれど、
 二人が眠っている間に、これからのことについて考えてみたの。いいかしら?」

「はい」「……続けてくれ」

「まず、フェイトさんの蒐集を済ませたいのだけれど、
 蒐集が終わると倒れてしまう可能性が高いの。
 だからいっそのこと、フェイトさんは疲労か何かで倒れたことにしておいて、
 恭也さんを『連れ添いが倒れて途方に暮れていた旅暮らしの男』として書の主に紹介したいと思うのだけれど」

なるほど、蒐集を事情説明のために利用するのか。しかし。

「……連れ添いという言葉がひっかかるのだが」
「あら? 二人は恋人じゃないんですか?」
「そうです」「うぉい!?」
「……ええっと?」

困惑するシャマルさん。だが大丈夫だ。
俺の方がもっと困惑している。

「落ち着けフェイト嬢、今の君は混乱している」

フェイト嬢の両肩を掴んで説得を行う。美由希相手ならここから更に手に力を込めるのだが。

「それはどちらかというと恭也さんの方だと思いますけど。
 ……それに、私じゃダメですか?」
「ぐっ……目を潤ませるな顔を赤らめるな胸を押し付けるなーっ!」

肩から手を離し、慌てて数歩後ずさる。
ちょっとドキドキしてしまったじゃないか!

「はぁ……それじゃあ知り合いということで」
「はぁっ……はぁっ……よし、それでいい。それでいいんだ」

フェイト嬢の妥協に息も絶え絶えで答える。
傷は治ったとはいえ、昨日は死にかけていたのだ。このテンションは色々とキツイ。

「何というか、イッパイイッパイですね高町さん」
「……そこまで必死になるようなことか?」
「……譲れないものがあるのだろう、男として」
「あたしにゃよく分かんねーな」

ええい、うるさいぞ外野。

「……話を続けてくれ」
「あ、はい。ええと、二人を旅人として紹介するところまででしたね」
「知り合いとしてな」
「それはもういいですから」

くっ、そうなのか。
ああいや、しかし、連れの倒れた旅人だと?

「それは、病院に行けという話にはならんのか?」
「確かに、普通ならそういうことになりますね」
「アイツはそんなこと言わねーよ!」
「落ち着け、ヴィータ」
「ええと、確かにその可能性もあります。
 ですからそこで……二人は地球とは別の世界からやってきた、ということにします」
「……なるほど、戸籍がないうえ、その土地に詳しいわけでもない、か」

あながち嘘でもないしな。

「先ほどヴィータも言ったが、主ならば困った人間を無碍にはせんだろう」
「まして事情があればな」
「他の世界から来た、なんて話したら羨ましがられるだろーけどな」
「ふふっ、確かにね」
「……なるほど」

しかし、話を聞く限り主とやらは。

「何というか、懐の大きい人なのだな」
「あったりめーよ」
「……主ほど優しさに満ち溢れた人間はそういないだろう」

思わず口を出た言葉にヴィータ嬢とザフィーラが答えたことで場の緊張がほぐれるのを感じた。
残る二人も何やら目を交わしているが、その瞳は決して剣呑なものではない。
フェイト嬢を見たところ、何か考えを巡らせているようだったが、表情に不満の色は見えない。

「……分かりました。その案でよろしくお願いします」
「よし。高町もそれでいいな?」

フェイト嬢の答えに、シグナムがこちらにも確認を促す。
それなりに筋の通った話であるから、反対する理由はないし、
そもそもな話、余程の無理を言われない限り俺に選択権はない。

「ああ、よろしく頼む」



とまあ、そういうことに決まったわけだ。
その後フェイト嬢の蒐集が行われて、倒れた彼女はシャマルさんの看病を受けて二階で寝ている。
一方、俺は事故で世界を飛んでしまった男としてはやて嬢に紹介されることになった。
飛ばされた先で知り合ったフェイト嬢と一緒に地球にやってきたはいいが、
魔法の使える彼女が倒れたことで途方に暮れていたところを拾われた、ということで。
ここが所謂並行世界というやつで、元々自分のいた世界ではないことを話したところで彼女の涙腺が崩壊し、
二階の様子を見に行っていたシグナムに切りかかられたのは完全な余談だ。

「……なるほどな。大変やったんやね恭也さん。
 ええよええよ、ウチは無駄に広いから。連れのフェイトさん共々どんとこい、や」

そうして、はやて嬢のこの言葉に繋がる。
シグナムたちの言った通り、彼女は突然尋ねてきた俺たちを無碍にはせず、
それどころか快く家へと受け入れてくれたのだった。

「かたじけない。しばらく世話になるぞ、はやて嬢」
「……おぉー」

どこかかーさんを彷彿とさせる嬢の懐の深さに感服し、頭を下げると、
彼女は何かに驚いたかのように目を丸めていた。

「どうしたんだ?」
「いや、嬢なんて呼ばれたの初めてやし?
 ちゅうか、そう呼ぶ人見るんも初めてやから、ちょう感動しとったんよ」
「そんなに珍しいものか?」

周囲を見ると、紫と赤の頭が縦に揺れていた。あと犬。
久遠のことがあったので然程驚かなかったのだが、やけに寂し気だったのが印象に残っている。

「そーやよ。私て正直友達少ないけどな、そんな喋りする人滅多におらんて」

むう、理不尽な。世界が変わってもその辺は変わらんのか。

「なら、はやてちゃんと呼んだ方がいいか」
「ええからええから。そのまんまで。天然モノは大事にすべきやよ?」

そうかそうか。枯れただのなんだの散々言われてきたが、天然モノか。

「なるほど、よろしくなはやてちゃん」
「あれ、会話つながっとらひんよ!?」
「いや、それなりに気に病んだだけだはやてちゃん」
「目に涙ためながら言わんといて!?
 そないショックやったん!?」

はははまさか。

「いい大人が小学生相手に泣かされるなんてことがあるわけないじゃないか」
「いや流れとるって涙!! それって泣いとる言わんの!?」

頬を伝う熱いものはなんなんだろうなぁ、と思いながら上を向く。
恥ずかしい話であるが、マジ泣きである。
いや、嬢の発言にショックを受けたわけでなく、単純に気が緩んでしまったのだ。
今日はデタラメな一日だったとはいえ、俺もまだまだということか。

「俺は大丈夫だはやて嬢。そう、何も問題はないんだ」
「恭也さん!? ちょ、恭也さーんっ!?」

まあ色々とあったが、今日も概ね平和であった。
そういうことにしておこう。はっは、と意味もなく笑っておく。
嬢の叫びが一段と高くなったが、大丈夫。何も問題はない。


「ふむ……初めはどうなるかと思ったが、主とも馴染んで何よりだ」
「……馴染んでるかぁ? あれって」
「……そういうことにしておけ」

そういうことにすべきなのだ。
話が纏まらないから。



ちなみにそのころ、二階ではシャマルが容態の安定したフェイトの記憶を覗いていたのだが、
何度探っても結局到達してしまう恭也との睦み合いの妄想、
仮称恭也ゾーンにはまってしまい、碌な情報を得ることはできないのであった。
しかし、一時間に余りに及ぶ戦いに敗れたはずのシャマルの表情は
やけに満足げであったことは記しておく。

------------------------------
あとがき
遅れて申し訳ない、めぐり便乗その5です。
フェイトは恭也に看病してもらえるなら蒐集どんとこいとか考えていると思うんだ。
posted by TRASH BOX at 23:19| Comment(9) | 三次創作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
やはりフェイト外堀を埋めに来たか
そうするわな

さて次こそkagura師父か
Posted by シヴァやん at 2007年06月30日 23:33
記憶を漁っても妄想に辿り着くってどんだけ強固な妄想だよ。
これは自己暗示による記憶の改竄の疑いが出てくるぞ。
Posted by 00 at 2007年06月30日 23:45
ちょ、フェイトさーん!?あんた、なにを妄想してるんですか!
あと、ぽよぽよ。ちゃんと仕事しろwww
Posted by たわしX at 2007年06月30日 23:47
恭也本気泣きするの回。
頑張れ恭也、色々諦めれば楽になるぞ!
しかも相手は恭也の弱点を十分知悉してるからな!

あとフェイトさん、親友との思い出よりそっちの妄想のほうが強いんかい!
Posted by surt at 2007年07月01日 01:31
恭也ゾーン・・・緑の記憶覗き対策なのか、それとも単に素の思考回路なのか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・恭也に会うためだけに過去にくるぐらいだから後者否定できないなー(苦笑

そして緑の満足そうなのはフラグなのかそれとも単に妄想の中身が充実してたからなのか?・・・・

最後に恭也、未来の今よりも歳の差が離れてたお前が陥落したんだぞ?何か色々と諦めろw
Posted by J at 2007年07月01日 03:49
この場合フェイト(小)の蒐集はできないことになるのかな? それにしても恭也ゾーンって…パワーアップした無我の境地に到達しなきゃ攻略不可ですか!?
Posted by ミヅキ at 2007年07月01日 12:25
18日夕方、あるサイトに問題の映像が流れた!少し前の華原朋美のプライベート映像!!あのパリス・ヒルトンをも連想させるような過激な上目使いにウットリしてしまう。過去の彼女のお宝画像と共に、今回、本誌初公開!!http://www.ichigo-blog.com/d/kaharatomomi/
Posted by 朋ちゃん引退へ…収録すっぽかし事務所から解雇通告。実際の理由はこの流出映像!?過激イケナイ遊び at 2007年07月01日 12:31
シャマルは絶対に後半目的変わってたと思(ry
Posted by NANA at 2007年07月01日 17:32
…妄想ではなく、過去の事実ではないのか? っと、予想。
そして、この『前』以上に難しくなった『恭也陥落』は成されのか。
それとも、他が頑張って、フェイト(の魔の手)から恭也を奪いとる事になるのか。
Posted by 月 at 2007年07月01日 21:27
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。